お金は寝かせて増やしなさい


お金は寝かせて増やしなさい
著 者:水瀬ケンイチ
出版社:フォレスト出版
価 格:¥1,620
オススメ度:★★★+α(最高は★★★)



インデックス投資ブロガーである水瀬ケンイチさんが書いた、インデックス投資のやり方を書いた一冊

最近は投資ブームになりつつあり、インデックス投資の知名度も上がってきました。
なので、インデックス投資に関する本も多数出版されています。

それらの類書と比較した時、本書は最高の1冊といえる珠玉の出来栄えです。
特に、「これから投資を始めたいと考えている入門者」、「リーマンショックを経験したことのない投資家」は絶対に読むべき本だと断言できます!


本書を読むことで一通りのインデックス投資に関する知識を得ることができますが、特に優れていると思うコンテンツが2つあります。


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リスク管理の肝は国内債券にアリ


1つ目はリスク管理について詳細に書かれている点

投資はとかくリターンに目を向けがちですが、本書ではリスクから投資を見つめています。

特に、国内債券がリスク管理に大きな効果をもたらすことを示している表が素晴らしい。
国内債券がリスク軽減に効果があることは有名ですが、ここまで分かりやすい解説は初めてみました。

このリスク管理については、個別株に投資をしている人もぜひ参考にしましょう。

個別株投資ではリスク管理に触れられることが少なく、注意喚起があったとしても漠然とした内容になっていて具体性がありませんでした。
本書を読むことで、キャッシュポジションの有用性を理論的に知ることができます。



涙と苦労の15年実践記


2つ目の激賞ポイントは、15年に渡る投資の実践記が記載されている点です。

これを読むことで、投資経験の浅い人は激動の15年間を追体験することができます。

また、ベテラン投資家は「うんうん、そうだったよなぁ・・・。」と昔を懐かしく思い出すことができるでしょう。
野村ファンドネット証券では私も苦い経験をしましたよ。

リーマン・ショックなんて、最近投資を始めた人にとっては遠い昔の話になんでしょうが、当時を体験した者からすると、とにかく凄まじかった。

日経平均株価などのインデックスは、半年で半額くらいまで叩き落されましたし、個別株なんて−90%くらいになるものがゴロゴロありました。
アーバンコーポレイションなんて、2008年3月期決算で過去最高の売上・利益を計上したのに、8月に倒産しちゃいましたからね。。。

15年実践記を読めば、
・大暴落の破壊力
・株価の回復力
・投資を続けることの大切さ

を学べるでしょう。



まとめ


インデックス投資について書かれた本はたくさんありますが、これらはファイナンシャルプランナーや経済評論家といった、いわば指導する側から書かれたものです。

一方、本書は個人投資家の目線で書かれているので、同じ立場、同じ苦労、同じ喜びを感じることができます。

アベノミクス以降に投資を始めた人は、右肩上がりしか経験していませんが、いつの日か大暴落を体験することになるでしょう。

その時は「水瀬さんが書いていた涙と苦労とはこういうものだったんだな」と大暴落を満喫して頂きたい。

大暴落は絶好の投資チャンスです。
株価の回復力を信じて、チャンスをものにしてください。


本書は、投資をするなら基礎知識は必須という水瀬さんの考えから、少し難しい投資理論の話も入っています。
なので、知識が全くない入門者が最初に手を取るには少し内容が難しいかな、と思うところはあります。
(分かりやすくするために、マンガを取り入れたり文章を平易にするなど、著者の伝えようとする努力は大いに感じられますが、難しいものは難しいのです・・・。)

難しいと感じた人は、はじめての人のための3000円投資生活を読んでから再チャレンジすることをお薦めします。



というわけで、珍しく大絶賛の書評を書いてしまいました。

個人的には、水瀬さんとは過去にいろいろあったのであまり好きではない(笑)のですが、ここ数年で読んだ本の中では最高の1冊なので、絶賛せざるを得ないですね。

評価は最高の★★★(星3つ)では不足なので、★★★+α(星3つ+α)とします。




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