前回、家計資産1400兆円の疑問で家計資産が消費に向かうと、売却される国債の買い手がいないため、国債価格が下落する可能性について書きました。


国債問題については、やまさんより
日本銀行が引き受ければ良い。
というご提案を頂きました。

家計以外の買い手である政府や企業は、負債を抱えて買い余力に乏しいのが現状なので、日銀に買い取って貰うというのは良い方法ではないかと思いました。


というわけで、前回は日本のバランスシートを見ましたが、今回は日銀のバランスシートを見てみます。

日銀BS1


日銀は77.2兆円の国債を資産として持っています。
もともと持っているものですから、新たに国債を買たからといって、変というわけではなさそうです。


私の新経済対策(案)に沿って、
【家計資産うち10兆円が消費等に使われ、売却された10兆円分の国債を日銀が引き受ける】
とどうなるかシミュレーションしてみます。

日銀BS2


日銀は国債を10兆円引き受けたので、バランスシートの資産にある国債が10兆円増えて、87.2兆円の国債を保有することになります。

バランスシートですから、資産が増えるだけではおかしくなるので、反対側の負債又は純資産も増えることになります。

とはいえ、どの勘定科目も日銀が自由に増やせるわけではなさそうです。

日銀が自由に使えそうなのは、発行銀行券でしょうか。

今回は発行銀行券を10兆円増やすこととします。
発行銀行券は86.6兆円に増加します。


発行銀行券とはお金(日本銀行券)のことですから、市中にお金が増えることになります。


お金が増えるとどうなんでしょう?

インフレになるのか!?

インフレーション(ウィキペディア)
※貨幣的要因によるインフレ
貨幣が過剰に供給されてだぶつくことにより発生する。貨幣の過剰発行は、過剰流動性を生み出し実質金利を低下させる。このため通例では投資が増大し、乗数効果で何倍もの需要増大をもたらす。そのプロセスは最終的に、需要インフレに帰結することでインフレに結びつく。


家計資産の取り崩しによる消費拡大は、モノの需要拡大だけでなく、貨幣供給によるデフレ解消にも作用するのではないでしょうか。

一石二鳥とはこのことですね。

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