富士フイルムが富山化学をTOBしましたが、富山化学の数値上の割高感と既存株主が感じている割安感には大きな隔たりがあります。

これは富山化学が有望な新薬候補をたくさん持っているからでしょう。

富士フイルムに投資をする上では、これらの新薬候補と新薬開発の工程を把握しておく必要がありそうです。


富山化学が保有している新薬候補には、
抗リュウマチ剤「T-5224」・・・フェーズ2
新型鳥インフルエンザ治療薬「T-705」・・・フェーズ2
アルツハイマー型認知症治療剤「T-817MA」・・・フェーズ1

などがあります。

リュウマチやアルツハイマーにはこれといった治療薬がなく、成功すれば世界レベルの治療薬に。
鳥インフルエンザ治療薬は材料性抜群
というあたりが人気の秘密なのでしょう。


有望な新薬候補があることはわかりましたが、これらは現在フェーズ1、2という開発過程にあります。
医薬品開発の工程がどのようなもので、まだどのくらいのハードルがあるのか調べてきます。


医薬品開発における期間と費用 医薬品開発における期間と費用(PDF)

医薬品の開発は、
1.基礎研究・・・化合物の探索
2.前臨床・・・・毒性試験、薬理試験
3.フェーズ1・・少数の健常者を対象に安全性及び薬物動態を検討
4.フェーズ2・・有効性(治療効果)と安全性の確認を探索するのが目的で、市販後に向けたその治験薬の用法・用量を決定する段階
5.フェーズ3・・フェーズ2までに得られた有効性、安全性、用法・用量に関する結果を多数の患者を対象として検証
6.申請、承認
の6つの過程があります。
フェーズ2はほぼ真ん中と言えますね。

次に各工程の成功確率をチェックします。
sinyaku





注1)工程確率とは各工程での成功確率
注2)確率は基礎研究を100%とした時の生き残り確率

もっとも失敗しやすいフェーズが成功確率40%フェーズ2です。
反対にフェーズ2をクリアできれば、市販に辿り着く可能性が非常に高くなります。


富山化学の新薬開発はまさに今が正念場


富士フイルムがこの段階でTOBをかけたことは妥当な判断だと言えます。
フェーズ1では失敗の確率が高すぎますし、フェーズ3では誰もが欲しがるようになります。

しかしどれも駄目でしたというのは怖いですね。
1000億円が紙くずになってしまう・・・。
富士フイルムは詳細な情報を元にしてTOBしたんだと思いますが。


新薬開発の参考書としては不確実性のマネジメント 新薬創出のR&Dの「解」という本がどこかのブログで紹介されていました。
これまで製薬会社に投資をする気はあまりなかったので、ウィッシュリストの片隅に埋もれていましたが、一度読んでみる必要がありそうです。
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