800万円→100万円→1億円達成の株式投資術のえすさんが、丸坊主とハゲボウズという架空の企業をモデルにして、不動産流動化について考察を書かれています。

会計の勉強にもなる良いブログですので、まだ読まれてない人は一度読んでみて下さい。

丸坊主とハゲボウズ
丸坊主とハゲボウズ−投資判断


(ここからは上記ブログを読んで頂いているものとして話を進めます。)


不動産流動化ですがこれを利用している企業は不動産業の他にも存在します。
テイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)という結婚式場を営んでいる会社です。T&Gは結婚式場の建設に当たり、17年1月より流動化による店舗建設を開始しました。
今回はT&Gの不動産流動化を検証することにより、不動産流動化のメリットデメリットを考えたいと思います。


2006年3月期  2005年3月期  2004年3月期
売 上 高 33,962百万円 21,830百万円 11,444百万円
経常利益   5,153百万円  3,501百万円  1,447百万円
経常利益率     15.2%  16.0%  12.6%
有利子負債  1,679百万円  3,475百万円  5,208百万円
株主資本比率  61.8%  52.1%  48.3%
営業CF  4,277 4,737 2,155
投資CF -3,427 -4,907 -4,453
財務CF -1,795 -1,733 7,163


T&Gの過去3期の決算を見てみましょう。
売上が年間100億円ペースで伸びているにも関わらず、有利子負債は年間17億円の減少、株主資本比率は向上している素晴らしい決算となっています。
キャッシュフローについても、営業CF>投資CFと黒字化しています。

ただし、マイナス面としては利益率の悪化があります。
流動化が本格化した06.3期は経常利益率が前年を下回りました。これはSPCへの賃料支払いが発生したためです。
流動化をすると投資家への余分な支払いが発生し、利益を奪われるというデメリットがあります。


T&Gは05.3期より3年間で年間150億円という巨額の設備投資を計画していました。
従来であれば、
・銀行からの借り入れ
・増資による自己資本拡充

の2種類しか資金調達法はありませんでした。
上記2つは、それぞれ調達金額に制限があり、資金調達がままならない場合は成長を鈍化させざるを得ません。
T&Gは流動化という最新の手法を用いることにより、資金調達の懸念を払拭し、同時に財務の強化を図ることができました。

流動化により黒字化したキャッシュフローを用い、今後は新規事業(スパ事業)への投資を始めています。


流動化という手法は、私は時間を買うことができる手法だと思います。
・資金調達の懸念をなくし、成長の時間短縮を図る。
・流動化により生まれたフリーキャッシュで、新たな投資機会を得ることができる。


もし流動化をしていなければ、巨額の有利子負債を返さねばならず、新たな投資などとても出来ない状態でしょう。
また、T&Gは全国各地に店舗を展開していますが、同業のベストブライダルはまだ大都市圏への投資で精一杯の状況です。多額の有利子負債を抱え、低い株主資本比率であるベストブライダルは、出店したくともそれを財務が許さないのです。

有名な格言で「時は金なり」という言葉がありますが、T&Gは時をお金で買ったと呼べますね。
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