期待収益率とボラティリティでリターンとリスクの関係を、アセット・アロケーションで資産配分を見てきましたが、これだけではなぜ分散投資が大切になってくるのかはわかりません。

期待収益率とボラティリティアセット・アロケーションを結びつける一番重要な投資理論がポートフォリオ理論となります。


年金資金運用資金は
国内債券 -1.45%〜+9.45%(期待利回り4.0%、ボラティリティ5.45%)
国内株式 -15.12%〜+28.12%(期待利回り6.5%、ボラティリティ21.62%)
外国債券 -10.17%〜+19.17%(期待利回り4.5%、ボラティリティ14.67%)
外国株式 -13.30%〜+27.30%(期待利回り7.0%、ボラティリティ20.30%)
と試算している4つの金融商品に分散投資しています。
これらの4資産と現金・預金に、
国内債券 68%、国内株式 12%、外国債券 7%、外国株式 8%、現金・預金 5% という割合で投資しています。

そしてこのポートフォリオに投資した場合のパフォーマンスは、
−1%〜+10%の幅で収まり、期待利回りは4.5%
と見込まれるとされています。
組み入れた資産の中で一番安全な資産である国内債券より、利回りが0.55%上ブレしています。


なんでこのようなこと手品みたいなことが起こるのか?
それがノーベル賞を受賞した「ポートフォリオ理論」になります。

スポンサードリンク
(続き)

ポートフォリオ理論とは、
収益は足し算で増えていくが、ボラティリティは平方根でしか増えない
というものです。

これだけでは何のことかさっぱりわからないと思いますので、具体例を挙げて説明します。

A国株式 期待利回り15%・ボラティリティ20%
B国債券 期待利回り8%・ボラティリティ10%
※2つの資産の値動きに相関関係は全くない(相関係数はゼロ)。
という2つの資産にそれぞれ100万円ずつ投資するとします。

このポートフォリオの期待リターンは、
100万円×15%(A国株式)+100万円×8%(B国債券)=23
万円

ポートフォリオのリターンは足し算で計算できます。

一方、ボラティリティの方は
100万円×20%(A国株式)の二乗=20万円×20万円=400万円
100万円×10%(B国債券)の二乗=10万円×10万円=100万円
400万円+100万円=500万円のルート(平方根)=22.4万円
と計算されるのです。
ボラティリティの方は単純な足し算でなく、それより数字が小さくなるルート(平方根)となるんですね。

2つの資産を組み合わせることにより、
期待リターン23万円=11.5%
ボラティリティ22.4万円=11.2%

の金融資産ということになります。
もともとのA国株式、B国債券はマイナスになる可能性もありましたが、組み合わせることにより、ポートフォリオは最低でも+0.3%のリターンが見込める、安全な金融資産となったのです。


これがよく言われる分散投資は大切だ!と言われる根拠だったんですね。
スポンサードリンク