ウォール街のモメンタムウォーカー
著者:ゲイリー・アントナッチ
出版社:パンローリング株式会社
価格:¥5,184
オススメ度:★★★+α(最高は★★★)
株式投資の3大アノマリー※1のひとつである「モメンタム」について書かれた1冊
※1 詳しくはkappaさんの著書 超・株式投資 参照
ほかの2つのアノマリーであるバリュー株効果、小型株効果は有名で、類書はたくさんありますが、モメンタムをとことん研究した本は、本書が初めてなのかもしれません。
モメンタムとは、現在の株価のトレンドが継続すること。
ようするに、上がる株は上がり続ける。下がる株は下がり続ける。
ということですね。
上げ相場、下げ相場、という言葉があるように、相場は一定の方向に進む性質を持っています。
これを利用した投資法を紹介しているのが本書です。
著者が提唱するのは、『デュアルモメンタム投資法』というもの。
デュアルというのは、
「相対モメンタム投資法」
と
「絶対モメンタム投資法」
の2つを組み合わせているからデュアルなんですね。
【相対モメンタム】
投資対象の中で、相対的に強い投資対象に投資をする方法
例えば、トヨタと日産があって、トヨタの方が上昇トレンドが強いからトヨタに投資をする。
あるいは、日本株と先進国株があって、日本株の方が好調だから、日本株を買う。
というような相対的に上昇トレンドの強いものに投資をする方法です。
【絶対モメンタム】
上昇トレンドでなければ投資をしない、という絶対基準持った方法
例えば、トヨタと日産があって、どっちも下げトレンドだけどトヨタの方がましだからトヨタに投資をする。
これは相対モメンタムの考え方です。
絶対モメンタムの場合は、どっちも下げトレンドであるのなら、株式には投資はせずに債券やキャッシュに投資をして、上昇トレンドにあるもの以外には投資をしない、という方法です。
デュアルモメンタム投資法は、
一番強い上昇トレンドにある投資商品に投資をし続ける投資法
であると言えるでしょう。
本書では、このデュアルモメンタム投資法を
過去200年のデータから導き出した、有意性の最も高い投資法
であると結論づけています。
過去200年ですから、これ以上の検証は不可能、という期間を調べ上げています。
当然、バリュー株効果や小型株効果も検証しています。
両者は有意性は持っているものの、近年はその有意性に衰えが見られるとのこと。
バリュー投資家としては気になる話ですよね?
また、ヘッジファンドやアクティブ投資、スマートベータといった投資法にも焦点を当て、検証を行っています。
検証の結果は、普通のインデックス投資の方が遥かに高リターンというもの。
インデックス投資家としても気になる話じゃないですか?
さらには行動経済学も登場します。
インデックス投資をしている投資家のリターンは、インデックス投資のリターンよりずっと低い。
なぜなら、投資家は高いところで買い、安いところで売ってしまうから。
あらゆる角度から、徹底的にモメンタムについて検証しています。
著者が確認した学術論文は300本以上
有名投資家(ジェシー・リバモア、ウィリアム・オニール、タートルズetc)の投資法も詳細に調べ上げています。
投資法の中には理論倒れになるものもよくありますが、デュアルモメンタム投資法には弱点はなく、理論的にも実戦的にも優れた投資法であることが理解できます。
これはもうやるっきゃないでしょう。
モメンタムに有意性があるのは知っていましたが、ここまで強力なものであるとは想像していませんでした。
本書が広まるにつれ、多くの人の投資法に変化が出てくるでしょう。
有名になると、有意性が崩れるのが投資の常ですが、行動バイアスに支えられたモメンタム投資はどこまで抵抗力があるのか。
これも見ものですね。
評価は★★★(3つ星)・・・では足りない。
★★★+α(3つ星+アルファ)とします。
この評価は投資本では、投資で一番大切な20の教え以来、2年ぶり。
価格は5000円オーバーと高額ですが、それだけの価値はある1冊だと感じました。
本書は高価ですが、電子書籍版であれば3,600円と30%OFFで買えます。
※本格的な本なので、読みやすいのは紙の書籍版だと思いますが、私は安さに負けました。
さらに、楽天ブックスだと、今なら20%ポイント還元とお得です。
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著者:ゲイリー・アントナッチ
出版社:パンローリング株式会社
価格:¥5,184
オススメ度:★★★+α(最高は★★★)
株式投資の3大アノマリー※1のひとつである「モメンタム」について書かれた1冊
※1 詳しくはkappaさんの著書 超・株式投資 参照
ほかの2つのアノマリーであるバリュー株効果、小型株効果は有名で、類書はたくさんありますが、モメンタムをとことん研究した本は、本書が初めてなのかもしれません。
モメンタムとは、現在の株価のトレンドが継続すること。
ようするに、上がる株は上がり続ける。下がる株は下がり続ける。
ということですね。
上げ相場、下げ相場、という言葉があるように、相場は一定の方向に進む性質を持っています。
これを利用した投資法を紹介しているのが本書です。
著者が提唱するのは、『デュアルモメンタム投資法』というもの。
デュアルというのは、
「相対モメンタム投資法」
と
「絶対モメンタム投資法」
の2つを組み合わせているからデュアルなんですね。
【相対モメンタム】
投資対象の中で、相対的に強い投資対象に投資をする方法
例えば、トヨタと日産があって、トヨタの方が上昇トレンドが強いからトヨタに投資をする。
あるいは、日本株と先進国株があって、日本株の方が好調だから、日本株を買う。
というような相対的に上昇トレンドの強いものに投資をする方法です。
【絶対モメンタム】
上昇トレンドでなければ投資をしない、という絶対基準持った方法
例えば、トヨタと日産があって、どっちも下げトレンドだけどトヨタの方がましだからトヨタに投資をする。
これは相対モメンタムの考え方です。
絶対モメンタムの場合は、どっちも下げトレンドであるのなら、株式には投資はせずに債券やキャッシュに投資をして、上昇トレンドにあるもの以外には投資をしない、という方法です。
デュアルモメンタム投資法は、
一番強い上昇トレンドにある投資商品に投資をし続ける投資法
であると言えるでしょう。
本書では、このデュアルモメンタム投資法を
過去200年のデータから導き出した、有意性の最も高い投資法
であると結論づけています。
過去200年ですから、これ以上の検証は不可能、という期間を調べ上げています。
当然、バリュー株効果や小型株効果も検証しています。
両者は有意性は持っているものの、近年はその有意性に衰えが見られるとのこと。
バリュー投資家としては気になる話ですよね?
また、ヘッジファンドやアクティブ投資、スマートベータといった投資法にも焦点を当て、検証を行っています。
検証の結果は、普通のインデックス投資の方が遥かに高リターンというもの。
インデックス投資家としても気になる話じゃないですか?
さらには行動経済学も登場します。
インデックス投資をしている投資家のリターンは、インデックス投資のリターンよりずっと低い。
なぜなら、投資家は高いところで買い、安いところで売ってしまうから。
あらゆる角度から、徹底的にモメンタムについて検証しています。
著者が確認した学術論文は300本以上
有名投資家(ジェシー・リバモア、ウィリアム・オニール、タートルズetc)の投資法も詳細に調べ上げています。
投資法の中には理論倒れになるものもよくありますが、デュアルモメンタム投資法には弱点はなく、理論的にも実戦的にも優れた投資法であることが理解できます。
これはもうやるっきゃないでしょう。
モメンタムに有意性があるのは知っていましたが、ここまで強力なものであるとは想像していませんでした。
本書が広まるにつれ、多くの人の投資法に変化が出てくるでしょう。
有名になると、有意性が崩れるのが投資の常ですが、行動バイアスに支えられたモメンタム投資はどこまで抵抗力があるのか。
これも見ものですね。
評価は★★★(3つ星)・・・では足りない。
★★★+α(3つ星+アルファ)とします。
この評価は投資本では、投資で一番大切な20の教え以来、2年ぶり。
価格は5000円オーバーと高額ですが、それだけの価値はある1冊だと感じました。
本書は高価ですが、電子書籍版であれば3,600円と30%OFFで買えます。
※本格的な本なので、読みやすいのは紙の書籍版だと思いますが、私は安さに負けました。
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