大貧困社会
著者:駒村 康平
出版社:角川SSコミュニケーションズ/価格:¥819
オススメ度:★★★(最高は★★★)
日本の社会保障の問題点に鋭く迫った1冊
雇用・医療・年金とあらゆる分野で日本の社会保障は崩壊しつつあり、早急な対策が求められている。
著者の主張は、北欧型の高福祉高負担である「大きな政府」を目指すべきというもの。
大きな政府であっても、高い経済成長、高い一人当たりGDP、高い企業競争力を維持しており、大きな政府と経済成長は両立可能であるという。
私も大きな政府を目指すべきという著者の主張は、日本人の考え方に合っているのではないかと思う。
社会保障を考える上で、避けて通れない話題の1つに高齢化があるが、
高齢者の
「私はもう80歳を過ぎているから、2025年の年金財政のことなんか関係ないし、関心もない。」
「将来世代はどうでもいいから、とにかく私たちの世代の社会保障給付は1円も削って欲しくない。」
という声には驚かされた。
【高齢者の支配】は深刻なのかもしれない。
また、生活保護を受けている家庭の中学生の一問一答
質問者「将来は何になるの?」
中学生「将来は生活保護を受ける。」
といったやりとりは脱力感に襲われた。
処方箋については、年金、医療以外は抽象的な対策しか示されておらず不満の残るところであるが、日本の社会保障の現状がよくまとまっており、社会保障を考える1冊目としては好著である。
著者:駒村 康平
出版社:角川SSコミュニケーションズ/価格:¥819
オススメ度:★★★(最高は★★★)
日本の社会保障の問題点に鋭く迫った1冊
雇用・医療・年金とあらゆる分野で日本の社会保障は崩壊しつつあり、早急な対策が求められている。
著者の主張は、北欧型の高福祉高負担である「大きな政府」を目指すべきというもの。
大きな政府であっても、高い経済成長、高い一人当たりGDP、高い企業競争力を維持しており、大きな政府と経済成長は両立可能であるという。
私も大きな政府を目指すべきという著者の主張は、日本人の考え方に合っているのではないかと思う。
社会保障を考える上で、避けて通れない話題の1つに高齢化があるが、
高齢者の
「私はもう80歳を過ぎているから、2025年の年金財政のことなんか関係ないし、関心もない。」
「将来世代はどうでもいいから、とにかく私たちの世代の社会保障給付は1円も削って欲しくない。」
という声には驚かされた。
【高齢者の支配】は深刻なのかもしれない。
また、生活保護を受けている家庭の中学生の一問一答
質問者「将来は何になるの?」
中学生「将来は生活保護を受ける。」
といったやりとりは脱力感に襲われた。
処方箋については、年金、医療以外は抽象的な対策しか示されておらず不満の残るところであるが、日本の社会保障の現状がよくまとまっており、社会保障を考える1冊目としては好著である。